深く濃いグリーンをセルフペイントした部屋で過ごすと、少し気持ちが落ち着きます。
しかし、暗い色の壁の部屋は
「狭く感じる」、「照明をつけても室内が明るくならない」
と心配される人も多いと思います。
清潔感のある明るい空間を好み、白を基調にした壁紙を選ぶ人が多いので、暗い色のインテリアにするという発想があまりないのかもしれません。
それでは、暗い壁の部屋は本当に「狭く」「暗い」部屋になるのでしょうか。
目次
濃く暗い壁の色のカフェが多く、とてもリラックスできる。
スターバックスやおしゃれなカフェでも濃い目の壁の空間は多く見られます。
照明で壁面を照らしたり、小ぶりなペンダントライトを使用して、暗さを活かしているなと感じます。
スターバックスはどこも人気で、実は濃い壁のインテリアが好きな人は多いはず。
おそらくそのようなカフェを好む方は、濃い壁のインテリアでリラックスできることはわかると思います。

スターバックスのインテリア。天井と腰壁から下は濃く暗い色の内装。
影響を受けた、深く濃い色の壁のインテリア
深く濃いグリーンをセルフペイントした部屋の壁の色は、次に紹介する空間から影響を受けています。
アトリエキーメン(近江八幡)のカフェ
近江八幡、アトリエキーメンさんのカフェ。
照明器具や、銅製の金物などを製作しているアトリエキーメン作品が見られるカフェです。
その他の近江八幡の建物、空間も含め、薄暗い空間に差し込む、太陽の光の心地良さ。
照明の灯の、やわらかさを感じました。

近江八幡、アトリエキーメンのカフェ
IKEAのディスプレイ
そしてもうひとつのイメージとなったのがIKEAの屋外利用できるベンチのディスプレイ。
IKEAはスウェーデンの空間の色使いを学ぶことができるのでとても好きです。

IKEAのアウトドア家具ディスプレイ
意外と広さを感じる濃い色の壁
みゆう設計室の事務所でも濃い紫色の壁のインテリアにしています。
こちらは天井やアクセント以外の壁が白なので、濃い紫色が空間を引き締めている印象があります。

みゆう設計室の事務所
この空間と比べ、天井も壁も暗い色にすると狭く感じるのかなと思っていました。
しかし、特に夜はそのまま夜空につながっているような感覚にもなり、すごく広さを感じます。これ、不思議な感覚です。
明るさはやはり白の壁よりも暗くなります。
そのため全体を照らすのではなく、手元を照らす照明が必要ですね。

木の時計を飾ったアクセント壁は薄いグレー
暗いからリラックスした場所
暗い部屋で気持ちがリラックスする、と思った場所のことを思い出しました。
「助産所」の「分娩室」なんです。
分娩室、と言ってもベッドがあるわけではなく、暗くて道路からも離れた静かな部屋にお布団が敷けるお部屋。
照明は暗めで、低い位置の照明のみでした。
分娩室、というと明るい照明の下に分娩台があって、というイメージがありますが、私はその部屋を見せてもらったときに、ここで出産したい、ってすごく思ったんです。
出産を不安なもの、痛くて怖いもの、とどこかで思っていたのが、守られていて、しあわせなもの、という印象に変えた空間でもありました。
実際その部屋で私は二人の子どもを出産したのですが、その空間での安心感は今までに感じたことのないものでしたし、その助産所という空間がお産で不安になりがちな私を受け止めてくれていたことは、その後の私の空間づくりに大きく影響しています。
きっとお産をするときに身を守るような安心感を感じるのが暗い壁の部屋。
寝室や、シアタールームなどの部屋ではリラックスするために暗い部屋にすると良いでしょう。
必要な照明をしっかり用意してあげれば、リビングでもリラックス空間を作れて良いと思います。