今回のインテリア相談は大阪にお住まいのH様。
インテリアにこだわって家づくりをしたけれど、設計者さんに頼れず自分で考えたので、思い通りにならずしっくりしないところがある、というお悩みでした。
注文住宅といえども、壁や床などの色・仕上げを全て自分で決めないといけないことはよくあるそうです。
(みゆう設計室の場合は住宅設計とインテリアを同時に行うので、迷うことはあっても、思い通りにならなかったという事例はあまりありません。)
それでは、どうすれば思い通りの家になったのでしょうか。
目次
なぜかうまくいかず納得のいかないインテリア
H様邸は一生懸命考え抜いて作られたお住まい。
良い家だな、と私が見ても思います。
でも、なぜかうまくいかなくて納得のいかない場所があるのです。
例えば、キッチンのタイルの色。
タイルの色を気に入ってシンプルなキッチンに合わせています。
とてもおしゃれに見えるのですが、目地の色が目に付いて落ち着かないのだそうです。

とてもおしゃれですが、キッチンタイルの目地の色が気になるとのこと。
「好きなインテリア」の寄せ集めの注意点
私も設計するときに「好きなインテリア写真を集めてください」と言います。
すぐ集まる人もいますし、なかなか好きなインテリアが分からない人もいます。
好きなインテリアに共通点がある必要は無く、それをコーディネートするのがプロの仕事です。
でもH様のように、仕上げを全て自分で決めないといない状況であると確かに難しいですよね。
この事例の場合、キッチンがステンレス、窓枠が黒、木の家具、というバランスの中に白の目地のインパクトが強くなります。
タイルの写真、ステンレスのキッチン、フローリング、というようにそれぞれ好きなものを集めたときに、それらが同じ空間にあっておしゃれに感じられるような組み合わせがあるのだろうと思います。
(H様邸も、白のカウンターのキッチンであればもう少し見え方が変わったでしょう!)
タイル目地や金物など、ちょっとしたものの組み合わせ
下記の写真はグレーのタイルを壁に貼ったキッチンです。
こちらでもタイルを白目地で貼りましたが、そこまで目地が目立たないと思います。
タイルのサイズ、タイルの色の濃さの違いもありますが、このキッチンにはレンジフードやキッチンの扉、そして照明を白にしています。
これは「白目地」が他の白のパーツを引き立てる構成にしているからです。

白の目地を活かした壁タイル貼のキッチンがおしゃれな理由は・・・
先入観をなくすことでインテリアが暮らしになじむかも!?
住まいのテイストは、家全体が同じでなくてもよいのです。
それを整理して、そのルールを作ることも設計者にできること。
意外と「先入観」で「そうしなければいけない」と思ってしまうことが多いようです。
納得のいかないことも、ひとつひとつ整理すると、すとんと心に納まりますよ。
照明ひとつ、入れ替えるだけで空間がぐっと引きしまりますから!!
この「入れ替える」という発想がなかなか出てこないようです。
これを引き出すのがインテリア相談の醍醐味です。
H様邸もタイルの改善方法、照明の位置替えなどご提案しましたら、その後暮らしにしっくり合うようになったそうです。良かった!!
住まいのバランスを知る
アイテムひとつの配置でも空間の居心地の良さは変わります。
インテリア相談で、この「バランス」を知ることに満足される方は確かに多いですね。
いろんなおしゃれなインテリア本などを読んで、そのカタチが好み!と思っても自分の家事の仕方にはフィットしないこともあります。
家事の仕方についてお話するとその方の性格まで見えます。
そのお話から、キッチンのかたち、収納家具のかたちも決まってきます。
今はいろんな情報があふれているからこそ「素敵なインテリア!!」「素敵な暮らし方!!」と思う「住まいの憧れ」があって当たり前。
でも、その暮らしが自分に合うのかどうか、自分らしく憧れにフィットさせるにはどうしたらよいか、困ったときにはインテリア相談にご依頼くださいね。
